最近は、あまりプランナーに打ち解けてくれる方が少ないような気がします。「結婚式のお世話だけしてくれればいいのよ。」という感じで、確かに私たちプランナーは「結婚式のお世話」だけをしていればいいのかもしれません。けれど、こんなケースがありました。お二人の家庭の事情をあまり聞き出せなかった新米プランナーのお客様でした。
突然かかってきたのは「結婚式をキャンセルしたい」という電話でした。プランナーに尋ねると、何かキャンセルの原因になるような要素は一切ないというのです。
「ごめんね。少し尋ねるけれど、いい?」
と私は新婦に尋ねました。
「はい、その前に、キャンセル料とかはかかるんですか?それが知りたいです。」
「キャンセル料という話はおいておきましょう。お二人の事情をお話していただけたら、キャンセル料が掛かるか掛からないか、私が判断します。」
そういうと、新婦は少し悲しそうなため息をされました。
「実は、結婚式をしたいのはやまやまなのですが、兄の結婚式と私達の結婚式と1ヵ月しか期間があいていないので、近すぎると親に言われたんです。」
彼女はその時妊娠中でした。
「産んだ後でもできるって言われて・・・」
私は新婦に言いました。
「赤ちゃんを産んだ後に結婚式をされる方はたくさんいらっしゃいます。けれど、それは楽だからではないんですよ。産んだ後、みなさん大変努力されて、結婚式をされているんです。・・・本当に結婚式をされなくていいんですね?」
そう言うと、なんとも複雑な声で泣き始めるのです。
「お二人はどうしたい?」
「なるべくなら産む前にしたいです。」
私は、現在4ヶ月の赤ちゃんの事を思い、やはり最低でも5ヶ月までにはされたほうが、おなかが出ていない=選べるドレスがたくさんある、とお伝えしました。
そして、ご両親には「お二人の本当の気持ちを伝えてあげてください。」と申し上げました。それでもやはりご両親の返事はNOと言われたと、次の日カウンターにいらっしゃいました。通常であれば、申込金を払った後の決定取り消しとなると、10万円頂くのが既定となっています。けれど、私は、このお二人が自分達の想いを話してくれたので「結婚式をしたい」という言葉を信じてあげたくなったのです。
「通常であれば、キャンセル料が発生します。けれど、もう一度聞いてもいいですか?結婚式をしたいですか?赤ちゃんを産んだ後、どんなに大変でも。」
お二人は神妙にうんうんと頷きました。
「分かりました。それでは、お待ちしておきますね。」
「???」
「お二人はキャンセルをされたのではなく、お日にちを『延長』されたんですよね?」
でしたら、料金はいただけません。と申し上げると、二人ともとても輝いた顔をしていらっしゃいました。これは、キャンセル料が掛からなかったからではなく、「結婚式を延長したんだ」と思えたからです。
その2年後、お二人は赤ちゃんを抱っこして結婚式を挙げられました。お客様が私を信頼して悩みを話してくださったから、私もプランナーとして二人を信頼する事ができたのです。
プランナーには、何でもお話してください。家族の事情でも、彼とのケンカの内容でも、私たちプランナーはそういった事も全て知り合った上で、お二人の「本当に幸せな結婚式」を叶えたいと思っています。
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