両家の服装が、「まるっきり違う」というのはできれば避けたいものですね。
先日いらっしゃったお客様の結婚式では、お二人が結婚式の日の服装をご両親に確認されませんでした。その為、新郎側は「紋付」と「留袖」、和一色でいらっしゃっているのに対し、新婦側は父親がモーニング、母もドレス姿で、洋一色という、なんとも統一感のない姿でそれぞれいらっしゃいました。
「こういうのも面白いじゃない?大丈夫よ。」
なんてお二人には言いましたが、正直に言いますと、この場合両方の家にとって、お互いの服装が「失礼」になります。きっと、新郎様の親族は和の集合写真を、新婦側の親族は洋の集合写真を想像していらっしゃったのだと思います。けれど、お互いにまったく違う服装をしてきてしまた。これは、お互いに「申し訳ない事をしたなぁ・・・」と思うのと同時に「何でその服装なのよ!」と思わせてしまうのです。この場合は「洋装で」「和装で」というのをお二人がご両親に伝えるべきでしたね。
さて、もう一つの失敗例です。
これは、少しシビアなお話になります。私のお客様で、新郎様のご家族は裕福で、新婦様のご家族はとても貧しい生活をされているお二人がいらっしゃいました。このお二人は時間の都合上、家族のみで挙式だけを行うことに決めていました。
「ご両親のお衣装、どうするの?」
私がこう聞くと、それぞれ「持っていますから大丈夫。」とお答えになります。しかし、その時、新婦の方の微妙な顔つきに気付いて、「大丈夫?」と彼がいないところで話しかけました。すると、
「やはり、挙式の日は正装のほうがいいのでしょうか?」
と聞くのです。彼女にはお母様だけでしたので「お母様、留袖持っていらっしゃらない?」と聞くと、「持っている」といいます。
「持っているのですが、彼の家のものとは違う気がするんです。彼の家はお金持ちですから・・・」
私は「なるほど。」とこの時初めて彼女の家と彼の家の生活レベルの差を知りました。私は、彼女に言いました。
「その場合は、いい留袖をお母様のために借りてあげたほうがよろしいですよ。お値段は相談してあげるから。」
こうして、彼女は彼や彼の家には内緒で、お母様の留袖を借りられたのです。
当日、案の定彼のお母様の「留袖」は、素晴らしいものでした。けれど、同じ写真に納まる新婦のお母様も・・・大変素晴らしい「留袖」をお召しになり、心なしかお顔色も普段より明るく見えます。
お召し物にはランクがあります。どちらかのお家にあわせるか、お互いに譲歩し、お召し物のランクをそろえられるよう、お二人の心配りが重要になってきます。
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